相模原ゴルフクラブ、戸塚カントリー倶楽部、武蔵カントリークラブ、我孫子ゴルフ倶楽部などの一流名門コースの下げが激しい。鷹之台、小金井、磯子辺りが辛うじて値を維持しているが、比れも危うい。

先にあげたそれぞれのコースはクラブライフ、ロケーション、コース内容、経営の安定度などゴルフクラブとしての殆どの条件が完備しており、相撲なら大関、横綱クラスに匹敵する実力が有るコースのはずなのに比の有り様は何故だろうか。

会員権相場の値下がり理由は？

会員権の相場が停滞又は右下がりの理由としては、メンバーの高齢化と新しい入会者の新旧の交替が順調でない事、相続物件の滞留、会員権を持とうと考える人達が今が買うタイミングとして良い時期だと思っていない事、それと一番の理由として会員権本体の取得費用に比べ名義書換料や良く解らない入会預り金などが世間の常識からして他の金融商品に比較すると高額過ぎる事、又、会員権を購入しても厳しい入会審査が有ってスムーズに入会出来るかどうかの不安が有り、入会不承認になっても本人に理由を開示せずどういう基準で審査されるのかが不明朗で不信感が有る事、年会費などのランニングコストが高い、等々が理由ではないでしょうか。

資産としての会員権？嗜好価値としての会員権？

ゴルフ会員権は嗜好性が強く且つよリレベルの高いものにシフトしがちな上昇指向の高い商品ですが、最近は例えばスポーツカーの好きな方などには2千万3千万する車が売れ、中には億の単位のマニアックな車迄有るようです。株価や不動産もほぼ堅調な動きで、億ションの売れ行きも順調です。

ゴルフ会員権を扱っている立場からすると先のような難しい問題は有りますが、今は名門コースのメンバーになろうかと考えている方にとっては一流コースの会員権を手に入れる絶好の場面じゃないかと思われます。
マーケットが有ってゴルフ会員権も売り手がいて買い手がいれば需給関係の中で妥当な条件が出て成約するはずですが、それが停滞している理由の中にはそれで本当によいのかなと言うような事を聞く事が有ります。

例えば、そのクラブの実力者でも有る理事の方が「うちのクラブは入りたい人より入れたい人が入れば良いので、改めて氏素性を調べなければわからないような人に申込みをされても対応に困る」と堂々と言っているのを聞いた事が有ります。

無理をしてふさわしくないクラブのメンバーになる事はなかろうと云うその方の考え方はそれなりに正しいかも知れませんが、その一方で一流三流に係わらず日本中どのクラブでもオープンして相当期間が過ぎるとクラブの活性化を図る為には年間に3-5%のメンバーの移動(新旧交替)が必要になり、此れがスムーズに行われないとメンバーのプレー回数の減少、来場率減が始まり、結果、無理なビジターの誘致、受益者負担と云う理由でのメンバーのプレー料金の値上げ、年会費の値上げ、名義書換料のアップなどをせざるを得なくなってきます。

現在の日本のゴルフ会員権の市場の性質

日本のゴルフ場の殆どは預託金制の会員権で、一部の株主会員制のコースでもその実体は余り変わらないのではないかと思われます。どこかの国の大金持ちが少人数でプライベートマネーを出し合って作ったような全くのプライベートクラブと呼べるゴルフ場は殆どないはずです。

会員を募集した際にはゴルフ会員権はいつでも自由に譲渡(売却)出来、預託金制の場合は期限が来れば償還請求をして返してもらう事が出来ると云う約束が、どのゴルフ場でも開場した時のゴルフ場とメンバーの約束だったはずです。ゴルフ場を運営する側の方もゴルファーもお互いに約束は守らなければならないのは自明の理です。

ゴルフ会員権を資産として考え購入し、その後十分に仲間と楽しんだが年をとって体力的にもプレーが出来なくなったので、此れ迄は会員権を譲渡しようと考えた事もなかったが、いざ売ろうとして調べてみると考えていた価格と現在の相場には天と地程の差が有って、現状では納得して処分している方は残念ですが今の相場ではほとんどいないのがのが実情です。

お金では買えない価格以上の価値を見せる会員権のメリット

一流コースのメンバーで有る事でのゴルファーとしてのステータス、優良な人脈形成が図らずとも出来る事、快適なクラブライフなどの有形無形のメリットはとてもお金には計算出来ないものです。世間の物の値段やサービスからしてみれば冒頭に挙げたコースなどは低く見ても現状の価値で5-6倍しても全然不思議ではないはずです。

会員権の流通を担う私達を含めゴルフ業界全体としてどうすれば此れらのコースの価値をそこ迄上げる事が出来るかを真摯に考え対応しなければなりません。ゴルフ会員権には十分それに見合うだけの価値が有ります。

又、此れらのそれぞれの地域でのトップクラスのコースの価値が上がる事で現在中位クラスの相場の見直しもされるようになり市場も活発になれば、改めてゴルフに目を向け関心を持つ若者達も増え、プレーヤーの数も増えてくるはずです。低価格でサービスをする大衆化も結構ですが、ルールやマナー、エチケットなど他人との良好な付き合い方を学ぶのにゴルフ程優れたツールはそんなに有りません。「衣食足りて礼節を知る」の言葉の通りです。

勿論ローカルなコースが東京の名門コースの有り様を真似ようとするのはナンセンスです。日本中のゴルフ場が小金井カントリークラブや戸塚カントリー倶楽部、鷹之台カンツリー倶楽部で有る必要も有りません。バラエティに富んだサービス、コースが有ってこそそのシンボルになるコースも必要なのではないかと思います。

一流名門コースの奮起を期待します。

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