靴磨きのおじさん。

新宿花園神社は今日が三の酉のお酉さまでした。
この一年程私の靴はいつもピカピカです。これは2014年の12月から毎日続けている一日一万歩の歩きの道の途中にじょうずな仲良くなった81才の靴磨きのおじさんがいて、その人に週に一度から二度程磨いてもらうからです。
新宿で50年磨きを続けて、いつもいるのがピカデリー(昔の新宿松竹映画館)の前、靖国通り沿いサブナードの入り口です。自分でもそれまでも結構まめに磨いていましたがやっばりプロの仕事は違います。
おじさんに聞いたところでは、昭和の終わり頃までは新宿二丁目と西口で合わせると多い時は30人程磨き屋さんがいましたが、今は不定期で丸井の前にいるおじさんと二人になって淋しくなったとの事です。
一日に磨く数は4、5足から多い時で8足位で一人600円15分程丁寧に磨いてしっかり力を入れてくれます。真面目に頑張っているおじさんです。仕事の量は駅にある靴の修理屋さんが進出してきたり、薬剤を塗るだけで済ませたり、スニーカーなどが多くなってお客様も随分少なくなったようです。天気の良い日は四季に関わらず朝9時から6時まで働いての稼ぎが2,400円~4,800円程で上野から地下鉄を乗り継いで三丁目に通っているそうです。
今日いつものように磨いてもらっていると外国からの観光のお客様らしき方が子供連れの夫婦で近寄って見ていますがどうしてよいのかわからないようです。私が靴を磨いて欲しいのだろうと思ってそばの丸イスを指して「プリーズ・シット・ダゥン」と言うと嬉しそうにお父さんが腰かけてきました。私が「どこから来たのJと問くと「マレーシア、クアラルンプール」人懐つこい笑みを浮かべて嬉しそうに話しかけてきてくれました。
それで2~3分話していると今度は日本人の若いビジネスマンが磨きをして欲しいらしく近くでもじもじしているので「磨きですか」と聞くと「お願いします」との事ですが、先客が一人いる為20分程待つことになりますよと伝えると「待ちます」と答えが有りました。
二人のお客様が来る前におじさんに今日はあんたで4人目だと聞いていたので何とか二人のお客様を居なくならないように、このおじさんはここで50年やっていて、仕事はゆっくりだけど東京で3本位に入る磨きのプロで丁寧にやつてくれますよと言うと「待っています」と云うので良かったです。おじさんは、これで今日は7人だと言いました。ちょっとはにかんで嬉しそうでした。
新宿においでになったらぜひ磨きに立ち寄ってあげて下さい。私も嬉しくなりました。三丁日に40年もいるといろいろな街の方達と親しくなります。これからもそういう出会いを大切にしていきたいと思っています。
by万治郎